印刷屋勤務のプリンが綴る、日本の習慣、節目節目で出す挨拶状の書き方など。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
縦書きの挨拶状の場合、下の画像のように「私こと」や「私儀(わたくしぎ)」は、他の文章にくらべて小さい字で組版されます(横書きの場合は他の文字と同じ大きさです)。

▽見本画像
watakusikoto.jpg
watakushigi_2.jpg

「私こと」と「私儀」は同じ意味です。(「私こと」の方が少し軟らかい言い方です。)ちなみに「儀(ぎ)」は身内の事にも使います。喪中はがきなどで「(故人のお名前)儀」という書き方を見た事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。あれはつまり、当家の者の事ですが…といった意味合いです。

そもそも、「私儀」とは遜り(へりくだり。相手への謙遜)の意味合いを持つ、自分を表す言葉です。話し言葉に変えれば「私個人に関して…」という感じですが、挨拶状印刷ではさらに「私個人の事で恐縮ですが…」という気持ちを込めて、行末に下げ、他の文章よりも小さい字で印字されてきました。(はがきやカードの限られた面積の中で、文字だけで相手への気持ちを表すのは難しいものですが、じっと見ていると、なるほど、頭を下げておじぎをしているようにも思えてきます。昔の人はよく考えましたね)当店も基本はこの形で組版させていただいています。

ご自身でパソコンで作られる場合は本文の他の文字より、2ポイントから1ポイント半くらい小さくされるのがちょうど良いかと思います。行末に下げる場合は下から1字分あけます。「さて」の大きさは小さくしません。

ところが、謙遜の意味が分らない(謙遜と言う概念自体がない?)若い方や、横書きやパソコン、ワープロ文書に慣れた方には、ただ単にレイアウトのバランスを乱すもののように見えるようです。最近の手紙マナー本(書籍)などにも、昔からのしきたりを無視した記述の本が多く見受けられます。分厚い手紙マナー本を参考に持ってご来店になったお客様が「そんなのこの本には載ってない!本の方が正しいに決まってる!」と仰るときなどは本当に困ってしまいます(そんな時は本のとおり組版させて頂いてますが…)。

寂しい事ですねー。句読点問題と同じで、時代の流れと共に段々小さくしない傾向になっていくのかもしれません。マナーや慣例も、どう思って出す人が多いのか、受取った人がどう思う場合が多いのかで、やはり、少しずつ変わっていくものではあると思います。

それでも挨拶状は気持ちで出すもの。事務文書ではないのですから、日本人らしい奥ゆかしさを忘れずに出して欲しいなと思います。そのためには、形ではなく、どうしてそうするのか、「そのこころ」を知っておくのも大事になってくるかと思います。

当店でご発注のとき、もちろん気になる場合は小さくしないで印刷する事も可能です。「私こと」や「私儀」を他の文章と同じ大きさで印刷をご希望の場合はご注文時にご指定ください。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://aisatujyo.blog119.fc2.com/tb.php/36-7c1a510e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。